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『麦ばあの島』原画展を見てきました

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岡山県にある国立療養所邑久光明園の社会交流会館開館5周年記念
特別企画展「麦ばあの島」原画展を見てきました。
玄関で等身大の麦ばあが出迎えてくれます。

『麦ばあの島』は海月が描いたフィクションの漫画です。→
邑久光明園とその前身である大阪にあった外島保養院を舞台にしています。
邑久光明園はハンセン病の療養所。
現在居住されている方は皆さんとうの昔に病気が治っておられます。
予防法が足枷になって社会復帰のチャンスを失ってしまったり、差別が残っていて故郷に帰れなかったりといろんな事情があると思われます。

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この黄色くて丸いのは、邑久光明園の公式キャラクターの「こみょたん」です。
人権啓発という重たい使命を背負った狸の妖精です。
左脇についているのはヒトデではなく園のシンボルのカエデですね。

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麦の子供時代、少女時代、おとなになってから、おばあさんになってからの4体の等身大パネルが展示されています。
展示品のひとつひとつに歴史や由来があって、じっくり見ていると時間があっという間に過ぎていきます。

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奥で写真を撮っている中肉中背の中高年が相方トッコです。
本日の運転手です。

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著者近影の写真の縦横比率がおかしい、とトッコから指摘が。
いいじゃない少し細く見えても。

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園内の桜は満開を過ぎ、海風に桜吹雪が舞っていました。
このしだれ桜は遅れて咲いていたらしく、ちょうど見頃で美しかったです。
学芸員の太田さんがきれいな桜を選んで見せてくださいました。
先日は入居者や職員の皆さんでお花見とカラオケの大会が楽しく開催されたそうです。
今はそんな穏やかな日常を過ごしておられますが、少し前まで大変な生活をされていたのでした。

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そのひとつが患者を閉じ込める監禁室。
木製の扉は復元したものです。
現在は使われていません。
見学は施設の車で案内していただくようになっています。

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壁には収監された人の嘆きの文字が。
中にいるときに太田さんがわざと外から扉をしめるオプションつきでした。

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監禁室に行く前に子鹿のバンビを見ました。
トッコの足元にも獣の足跡が無数についています。
園内に近年シカやイノシシが来て、農作物や花壇などの植物を食い荒らすそうです。
アジサイの新芽まで食べられてしまうんだとか。
庭先で家庭菜園を楽しんでいる方も、スイカなど作物を荒らされるので支柱とネットで囲って対策しておられました。

シカやイノシシが嫌がって食べない野菜や花ってないものかしら。
アジサイは有毒だけど、もしかしたら新芽のうちはアルミニウムをためこんでいないのでシカが食べても大丈夫だったりするのかな。
たしかトウガラシは食べられないのでしたね。
あとはアセビやスイセンかなあ。

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皆さんお忙しいのに大歓迎されたうえに、お土産までいただいてしまいました。
こみょたんグッズ、どれもかわいくて癒されます:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
ちょっと毛色が変わってきてる...おとなの毛に生え変わったのかな。

原画展は11月頃まで。
少し不便な場所ですが、近くにお越しのおりは足を運んでみてくださいねー。
会場の詳細は邑久光明園のサイトでご確認ください。→


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非公開コメント

No title

すごい個展やねぇ~
:*.;".*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*.";.*:

来場者増えて、一気に重版出来や~
:*.;".*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*.";.*:

No title

ハンセン病は南アフリカでも差別が・・と
南アフリカでは遠く離れた島に隔離・・囚人と一緒の島にかくりされていた・・黒人解放のマンデラ大統領も同じ島に拘束されていたと 島に行ってその環境を見てきました。当時は病気のことがまだ未知の研究段階・・偏見と恐れの中・・少しずつ病気のことが・・わかって来て・・
でも・・未だ病気のことを知らない人にとって
こういう展示は理解と知識が得られると思います。
多くの方が当時苦しまれた人の事を少しでも理解してくださる人が増えていくと良いですね。
こういう展示はあちこちでやって欲しいです

たぬきだったのかー

前にも勘違いしてた気がするけど (^_^;)
夏みかんの妖精だと勝手に思ってたわ(おいおい)
差別って…よく知らない所から湧き出るもの。
知ることが大切ですね。
展示が立派ですごい〜 見ごたえがあります。
お花見にカラオケ! 
穏やかな日々を過ごされてホッとします。

鹿はアセビも食べていたやうな (^_^;)

★お返事

★このはさん
個展というのとはちょっと違うかも^^;
重版出来とか、景気良くいくといいのですが、出版業界も厳しいです。
せめて書店からの返本がやむといいのだけど。

★amesyoさん
マンデラ大統領が収容されていた島に、ハンセン病のかたもいたんですね...
科学が発達していなくて誤解が誤解を生む状況は、みんなで克服していかねば。
展示は出張展示もそのうちあるかもですよ( ̄∀ ̄)

★gerogeroさん
夏みかんの妖精!似ているかも(笑)
知らないまま想像がふくらむと、悪い方向に行っちゃうこともありますね。
園内を見学中、カラオケ大会にも出た方が草取りをされてて、
「あの方は光明園の都はるみです」って教えてもらいました。
書道が達筆な人とか、芸達者な方も多いのよ。
シカってアセビも食べちゃうのか( ̄□ ̄;)!!無敵だなあ。

No title

立派な展示ですね
監禁部屋、、恐ろしい、、どんなに辛かっただろうか…
字とかって生々しく伝わるもんですね

みかんちゃんの妖精(違う(笑))
色が違うところが癒されましたわ(笑)
大人の毛になったんだあ(笑)
そもそも毛が生えているのか?謎だわ(笑)
トッコさん細いですねえ~!スタイル良いじゃないですか、、。小柄でかわいい系?フクロウの妖精的な(笑)

うちの旦那の方がやばいわ(笑)良い展示ですね。
近くにあったら絶対見に行ってます~

No title

お疲れ様でした。
きれいで広い展示場ですね。等身大のパネルが重ーい課題を和らげてくれていて、すてきです。
漫画の展示も見やすそうで、来場の方にもよく伝わると思います。
監禁室や壁の文字を見ると、心が痛みます。辛い日々を送ってこられたのですね。
トッコさんの後ろ姿と足元、想像以上にスリムです(^.^)
こみょたんのうちわ、いろんな表情があってかわいいわ。

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★お返事

★にゃつおさん
こちらの監禁室はまだましだったようです。草津の重監房では凍死などで多くの死者が出ました。
みかんに毛が...いや、手触りはびろうどのようかなあ。着ぐるみもいるんですよ。足元が見えないので歩くのに介助がいるようです^^;

★tantonさん
重い題材を漫画でやわらげるって、ありますね。
敬愛するこうの史代さんとか、最近だとペリリュー島の戦記を漫画にした方もおられました。
トッコはどこから見ても垢抜けなくて、もうどうしたものか(゚ーÅ)

★鍵コメントさん
友情出演、助かりました。
社会交流会館は建物が新しくて居心地がいいです。
以前の自治会の建物は、冬場は特に寒くてみなさん大変だったと思います。
大根が無事に届いてよかった(笑)
お土産たくさんありがとうございます。とうぶんリッチな食生活を送れそうです。

No title

いやぁ、素晴らしい展示ですね。

ハンセン病というと 松本清張の『砂の器』を思い出します。
最初の映画版では 加藤嘉さんの登場シーンが忘れられません。
その後の ドラマバージョンでは ハンセン病・・という設定はなくなってた ・・と記憶してます。
随分ひどい扱いを受けた時代が 長かったのよね。。

重いテーマなんだけれど 海月さんが作品にされたこと素晴らしいわ。 
近くだったら観に行きたいです!!

★ゆずぽんさん

ありがとうございます。光明園の皆様ががんばってくださったので、すてきな展示になっていましたよ。
「砂の器」は加藤剛バージョンも中居くんバージョンも見ました。
加藤嘉さんの演技、いいですよねえ。何度見ても泣いちゃいます。
プロフィール

海月

Author:海月
動植物の世話に追われる零細漫画家、古林海月

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