妻が椎茸だったころ

高原英理編『ファイン/キュート』を読みました。
古今東西のかわいい、ステキな作品をえりすぐったアンソロジー。
題材は犬、猫、うさぎ、こども、年寄り、不思議生物など多岐に渡ります。

北原白秋「雀と人間との相似関係」は雀について綿々と書き連ねてあり、難読漢字は辞書をひきました。
抑から(そもそもから)=もとはといえば
堅麺麭(かたぱん)=非常に堅いパンで軍隊では携行食糧として重宝された
へー、へー、へー。

大佛次郎「スイッチョねこ」
秋の虫スイッチョを飲み込んだ子猫がひどい目に遭うお話。

伊藤比呂美「おかあさんいるかな」
老犬が久しぶりに帰国したおかあさん(飼い主)の様子をうかがいに、夜中苦労して階段をあがってくる様子を想像しただけで、目から鼻水が。

岸本佐知子「マイ富士」
卓上サイズの富士山があったらいいなあという妄想が暴走。楽しいです。

高原英理「うさと私」
そうそう、うさぎってそこがいいのよ!というツボを押さえてあります。

この本を読んだのは、神戸新聞の書評で見た、中島京子の「妻が椎茸だったころ」が気になったからです。
…うん、たしかに椎茸の話でした。醤油で甘辛く煮た椎茸。いい話です。
うちの猫も醤油で煮染めた椎茸みたいな色ばかり。
白や三毛、茶トラに縁が無いのが不思議です。

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